after glow
編集後記(21)




 これまでは何とか月刊で発行してきましたが、最近すっかり隔月周期になってしまいました……。本来なら昨年の12月をもって定期購読の切替となるところ、押しに押しています。そこで、今期の購読については24号までということで、25号以降から改めて購読者を募ります。
 編集人の都合によるこの極めて身勝手な発行状況につきましては、ご意見、ご批判もいただいているところです。「年間購読」という形でお金を取っているなら、毎月責任をもって届ける義務があるだろう、と----。おっしゃる通りです。
 でも僕は、この本に限って言うならば、〆切を意識するあまり内容に無理を生じてまで出すことは、したくないと思っています。「メディアを私物化するべきじゃない」という声もありますが、安易な「一般化」こそが今のメディアをつまらなくしているんじゃないかなーという思いもあります。
 読者の方々に対する「甘え」であるということは重々自覚した上で、極めて私的かつ内省的な今のテルマ路線、しばらくは続けていこうと思っています。というか、それしかできないんですけど……。
 キャッシュバックキャンペーンは引き続き実施していますので、購読中止希望の方はご遠慮なくお申し出ください。
 僕との交友関係や今後のお付き合いを考慮するあまり、中止したくても言い出せない----という方も、もしかしたらいらっしゃることと思いますが、全くお気になさらないで下さいね。
 それとこれとは、ハッキリ別問題ですから。
 みなさんとっくにお気づきのことと思いますが、今のテルマは他の誰でもない、自分自身のために作っています。思いっきり「私物化」しています。
 最近とみに痛感しているのですが、文章を書くという作業は、僕にとって決して大袈裟な意味でなく、生きていく上で欠くべからざる行為です。
 自分の眼で見たものを自分の眼で見たように書く----できるだけシンプルに、そしてリアルに。それは、知らず知らずどこかにぶれていってしまいそうになる自分の意識を、一定の文章的なレベルから大きく外れないように留めおくことであり、様々に移り変わっていく状況の中で、自分を何とか相対化し続ける作業でもあります。
 継続そのものに意味があり、今は自分を維持し続けるために文章を書き続けている日々です。ひとたびそれを中断してしまったら、軌道をはずれた惑星みたいに、あっという間にどこか安易で愚直な場所に吹っ飛んでいってしまいそうな、そんな切迫した恐怖感がいつもあります。

(2005年3月7日発行『TALEMARKET vol.21』より)




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