after glow
編集後記13










「新年号がこれかよ!」
「せっかく定期購読したのに----」
 そんなお怒り・後悔の声が聞こえてきそうですが……創刊1周年を迎えたテルマvol.13、いささか趣向を変えて再出発しました。
 これまで続けてきた連載は、今後も随時お送りします。が、ネタがない時に必死で絞り出し、何とか拵える----そんな記事や企画は、この本でだけはやりたくありません。その瞬間瞬間に書きたいテーマ、発見したこと、伝えたい感動、共有したいものを、ライブに発信する場でありたいと願っています。
 さて----そこで。
 連載小説です。
 思えば、構想10年のテーマでした。
 書きかけ、放り出し、また書いてそして諦める----そんなことを、ここ10年で何十度となく繰り返してきました。
 僕にとってフィクションとノンフィクションは、同じ「書く」という行為でありながら、イソジンとヨードチンキくらい違うもののようで、書きたくてしようがないのに全然書けない=才能が無い。
 数多ある野望の一つ「小説家(印税100億)になる」という夢は、とりあえず断念した方がよいらしい----幾度もそう思いました。
 でも、気がつけば無意識に資料を集め、書籍を買いため、新聞のスクラップはどんどん増えていくのでした。
 そして昨年末。ようやっと、書き進むことができたのです。
 僕の前に人参をぶら下げ、一方で尻を叩きまくってくれた先輩編集者のM澤A夫さんに、感謝します。
 そして何より----発表のステージ/創作の源泉であるテルマを受け入れ、支えて下さっている読者の皆様----今まさにこれを読んでくれている貴方自身に、心から感謝しています。
 あ、でも、今月号を見て購読中止ご希望の方は、遠慮なく言って下さいね。クーリングオフは随時受付中です。
 書くことが楽しい、ワクワクする、早く見てほしい----そんな気持ちです。1年前、テルマを立ち上げた時もまったく同じでした。今また、書きたい・表現したいというプリミティヴな欲求を、身体の奥底から感じています。
 相変わらず好き勝手なことをやる本ですが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(2004年1月31日発行『TALEMARKET Vol.13』編集後記より





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