after glow
編集後記10











 先月号をご覧いただいた何人かの方から、とても温かく、そして強く励まされるお便りをいただきました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
「自分を殺せ。相手を立てろ。黒子に徹しろ」
 この仕事に就いた初めに、当時のスパルタ編集長からそう叩き込まれて以来、これまでずっとそうしてきました。今でもマガジンワークでは、それを心がけています。
でも、唯一テルマだけは、自分を「主役」にしちゃっています。恥ずかしげもなく(本当はものすごく恥ずかしいのです)、さらけ出しています。
 恥部です。「月刊恥部」。
 この本を発行するようになってからというもの、そんな僕の姿勢に失望したのか、呆れたのか、見切りをつけたのかよくわかりませんが、僕の周りからたくさんの人達が去っていきました。
数の上で言えば、たぶんこの本によって得た方々よりも、失った人の方が圧倒的に多いでしょう。
 でも、それでも僕は今、ものすごく嬉しくて、そして救われています。
 まさにこの瞬間、このページを読んで下さっている「あなた」が、僕のことを救ってくれています。
僕はもともと自分のことを邪悪でよこしまな人間だと思っていますが、でも、「あなた」の幸福と充足だけは、何よりも我が身よりも、願わずにはいられません。
 さて、格好悪い説明と言い訳を少々。
『Lyric』(歌詞)というページについて。疑問・質問・深い分析などが寄せられているのですが、アレ、特に意味はありません。たとえば先月・今月号で言えば、旅先でたまたま出くわしたシーンと、それによって喚起され頭の中で聴こえたLyricを載せているだけです。僕が偏愛するアーティスト達の作品ばかりですが(興味のある方はいつでもお問い合わせ下さい)。
 それと今月から始めた『御馳走日記』----感じ悪いですか!? いつもあんな素晴らしいものを食べているわけじゃないんですよホント。各地のスローフードの一端を誌面で少しでもご紹介したく、嫌々というか、不承不承というか、仕方なしにというか食べ歩いているだけであって、決して好きでやっているわけでは……ああ、もうスペースがない!

(2003年10月1日発行「TALEMARKET vol.10」編集後記より)





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